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中国交通事情

2007.8

先日、中国交通事情の視察に北京、西安にいってまいりましたのでそのご報告です。

北京は道路も整備され、大量の車が走っています

 交通案内表示板があると、字が大きいということもありますけど、つい漢字のほうに目がいきます。日本人ですからね。英語をみても漢字をみても、どっちにしろ地名を知らないのですからおなじです。出口は出口でした。

日本人にとっては漢字のほうが意味がすぐわかるような気がします。airport を日本語ではそのまま「空港」と漢字にしたようですが、中国語では「机場」です。机???
実は机は「機」を略したもので、飛行機の意味ですので「飛行場」ということなんですな。desk とは関係ない。だから地名以外は英語のほうが確実です。

 しかし、車線を分ける白い破線の上をいったりきたり。左右へのウインカーなんか点滅せず、空いていればすぐまがりますな。軽自動車はほとんどありません。セダン、ハッチバックの小型車が圧倒的です。

 日本では、車が欲しい、金がない、駐車場もないということで軽自動車を税制でも優遇しているので普及したわけですが、中国では軽自動車を特に優遇しないからなんでしょうね。もし、日本と同じ制度にしたら、現在のバイク、リヤカー、自転車が一掃されちゃうんでしょうな。

 立体交差もあってオリンピックへの準備は着々です。東京オリンピックに間に合わせるために首都高速が作られたのと同じようにどんどん整備されています。首都高は2車線なので世界銀行では高速道路とは認められず借金できなかったとかいうことを聞いています。北京はさすがに広いので2車線などという、ちまちました高速道路はありません。

 ガソリンスタンドです97#, 93# はオクタン価のようで、97#がハイオクらしい。0# はなんだ?90#の9の文字が落ちちゃったのでしょうね。レギュラーは93#らしい。レギュラーがリットル4.90元/75円くらい。日本と比べると安いけど、中国人の年収からみるとかなり高いものになるんでしょう。

交差点にさしかかったとき、おったまげます。

 さて、バイク、赤丸内のおっさん、右端のオレンジのシャツの女性群とこの白いバンや私の乗っているバス、どちらが信号を守っているんでしょうか?

市の中心部は車、バイク、自転車、人がいっぱいで当然渋滞も生じます。
そのなかで、どのようにして、効率よく進むかを中国の人は考えて行動しています。

 さすが高い経済成長率を誇る国家で、人民の主体性を重んじる国です。早い者勝ちという単純明快な規則が国民に浸透しています。国が広く人口も多いので、単純明快な規則でないと浸透しないんでしょう。共産主義教育のたまものです。

さて、あちこちを視察した結果を要約してみました。

交差点の通行規則です。

あなたが自動車の運転手だったら;

 信号のない交差点にさしかかったら、そのままどんどん行きます。出会い頭の事故を気にしてはいけません。相手が注意してくれるでしょう。それより早い者勝ちなので、どんどん進行します。

ちゃんと、市の中央部には信号があります。

 中国人もせっかちのようで、カウントダウン表示付きです。右上は青信号に変わった直後だったはずなんですけど、なぜか信号自体は赤のままだ。1分とか30秒に設定されているようです。

 信号があって、赤だったら。直進、あるいは左折だったら、停止線(そんなのないところが多いけど、あったら)や横断歩道の手前で止まってはいけません。後ろがつまっているからです。上図の A, B のように横断歩道を越えてなるべく前で止まります。横断歩道を歩く歩行者はちゃんとよけて歩いてくれます。右折したかったら、右折はいつでも可ですからCのようにさっさと曲がります。左から右への車は、信号が青なので当然やってきますが、なるべく早く鼻先をつっこんで、確保します。遠慮していると右に曲がれませんからね。

交通取り締まりのお巡りさんもいるときがあります。そのようなときは停止線の手前でちゃんと止まりましょう。罰金をとられますからね。

 右折の場合、右の自転車、バイク専用レーンの自転車やバイクは、赤信号でも直進してきますが、そんなのは無視します。ぶつかっても相手の方の被害が大きいので、相手の方が止まってくれます。そもそも赤信号だしね。信号が赤(歩行者用の信号も、もしあったら、同期していますから赤です)なのに、右の横断歩道には必ず人がいます。でも彼らは一応、赤信号なので注意して横断歩道を歩いていますので、その間突っ込んでも歩行者のほうがよける、待つので心配いりません。ちゃんと歩行者はレーンの区切りの白線の上にいますからね。ひき殺さないようにだけ注意すればいいでしょう。

 信号が青に変わりました。直進は当然直進します。もしあなたがA であって直進しようとすると、右のBが左折してくる可能性があります。この場合、先につっこんだほうが勝ちなのでなるべく早く、先の空間を埋めるべく前進します。左折の場合もなるべく最短距離を行きます。交差点の中央近くを通る必要はありません。もたもたしていると、同じ車線の後ろのDがあなたの左から左折してきます。

 あなたがDの立場だったら、そしてAが交差点中央に自転車や人がいてもたもたしていたら、さっさとAの左から追い抜いて左に曲がります。左の空間は空いていることが多いのでこれを利用してAより先に出てしまいましょう。その場合、中央分離帯がなく左の道路を反対方向に走る空間があったら、反対車線を反対方向に走ってその後中央線を越えてAより先になってもかまいません。左折は一列という規則(あるかないか知らん)は無視していいでしょう。

 C や B の車で右折の場合は、信号に関係なく右折します。青のとき、右の自転車、バイク専用レーンから直進する自転車、バイクがいますが、赤信号でもいますし、仮にぶつかっても被害は相手の方が甚大ですから、相手がよけてくれます。

 右折あるいは左折専用レーンなんてないですから(本当はあるかもしれない)、交差点の左右どっちに曲がったらいいのか、あるいは直進がいいのか、がわからなかったら B の車ような位置を保ちます。ここだとどっちにいこうがかまわないからです。

 警笛は、自分がここにいることを示すために使います。追い越しをかけるとき、かならず2回以上鳴らします。追い越される車は車線を変更しませんから右でも、左でも、たとえ中央線を乗り換えて反対車線に入りこもうとも、空いている空間があったらそこから追い越します。

 もし、自分の運転しているトラックが積載過剰でスピードがでない場合でも、中央車線を堂々と走りましょう。後続の高速の車が警笛をならして、追い越しにかかりますが、警笛がなったからといってレーン変更を行うのは危険です。レーン変更を相手が期待していないので、期待に反することをするのは危険です。積載過剰ですから無闇にレーンを変更すると横倒しになって危険です。

片道2車線。中央分離帯なし。速度制限不明。制限があっても関係ないでしょ。対向車があるのにすでに中央線(黄色の破線)を越えて走っています(上左)。青いトラックに追いつきました(上右)。ここで警笛を2発。

追い越しにかかります。警笛をならしても、遅いトラックは右の車線に移ることはありません。ですから中央線を越えて追い越すことになります(上左)。で対向車線でも同じことをやっています。上右の写真の中央線の右の車線を走っている白い車は、こっちに向かってすすんでいるんですよ。要するに、こっちもあっちも中央線を越えて追い越しをかけたわけですな。いやー恐ろしい。

 高速では最低速度の制限のあるレーンがありますが、これも無視してかまいません。早い車は、勝手にレーンを変えて追い越していきます。追い越す空間がないとき、後続の車が何回も警笛をならすでしょう。これはストレス解消のために鳴らしているのですから、気にしてはいけません。

左が高速車専用、バス、トラックはだめです。でも、今乗っている大型観光バスはこのレーンを80-90 km/h で走っています。標識は120 - 90 km/h で走れということです。右端は緊急用の路肩です。料金所手前ではかまわず走っていますね。

 ETC のある料金所の場合、ETC 車専用レーンは右端にあります。しかし多くの場合、このレーンは普通の車で渋滞しています。このような場合は路肩を走りましょう。なんのためのETCなのかをちやんと意識しないといけません。あなたの車がETC に対応していなくても路肩を走ってかまいません。ゲートの直近で左のレーンに割り込めばいいだけですから。

料金所です、右端のETC専用レーンにも車はあふれます。

ちゃんと専用レーンだといっていますが、そのそもETC車はほとんどいないですからね。ちなみに上下を組み合わせたような文字はカードのことです。

 市街から市内に入るところに、必ずラッパに赤斜線のはいった標識−警笛を鳴らすな−があります。これは無視しましょう。警笛を鳴らさないと自分の存在を相手に知らしめる方法がないからです。

 自分があるいは同乗者が降りるとき、歩道に乗り上げることができたら、歩道に乗り上げ、目的の店の玄関に乗り付けましょう。車線に車を止めるのは後続車に迷惑です。歩道を歩いている歩行者は曲がりくねって歩くのに慣れていますから。

観光用大型バスはちゃんとこの規則を守って、歩道に乗り上げ、レストラン玄関前に乗り付けています。お客様第一ですな。歩行車は気にもしていません。

 市内の道路で、細い道から太い道に右折して本線に合流する部分に一時停止の標識があります。市街地では信号も標識もほとんどないです。この一時停止は無視しないといけません。すべての車が一時停止しないのですから、あなたの車だけが一時停止するとおかまを掘られます。

 バスのような大型車を運転していて、道の反対側に目的の場所があってUターンが最短距離と思われる場合は、ちゃんと右に寄ってからUターンを開始します。大型車が結果として横になって道を塞ぐことになるわけですが、他の人は知った事ではありません。大型車なのでUターンのとき、左側に空間が必要です。この空間を利用して小型車が、これもUターンすることがあります。この場合、大型車がそのまま左に曲がろうとすると、大型車の左側面が小型車にぶつかる恐れがあります。これは、大型車が折角確保した空間を小型車が勝手に利用しようとするわけですから、小型車の運転手を罵倒する必要があります。必ず実施してください。

 U ターン時は道路を塞ぐことになって、他の車が警笛を鳴らすことがあります。これは、頑張って早く曲がってね という激励なので片手をあげて ありがと と態度で示すのがマナーです。

これは大型バスではありませんが、Uターンを試みているところです。当然車の渋滞が生じますが、これを利用して、歩行車は道路を横切ります。

 市内ではあまりないことですが、郊外ですと、通行禁止の標識があっても、たいてい通行できないところの脇の道でない部分を通り抜けることができますので、そちらの方向に行きたければ標識を無視して進めます。万が一通り抜けられなかったら運がなかったものと、あきらめます。

 いずれにしろ、常に最短距離を最短時間で通行することに心がける必要があります。

あなたが自転車とかバイクを運転していたら;

 信号が青のときはもとより、赤信号でも、車がいなければ さっさと直進しましょう。青信号で左折したいときは、左からの自動車の鼻先になるべく早くはいって、確保して左折しましょう。車が流れていると、車の前に潜り込むのは難しいので、赤信号のときがチャンスです。交差点のなるべく前に陣取って、赤信号で車が止まったのを確認したら、その車の前に潜り込み、なるべく左によって左折しましょう。ゆめゆめ直進して、信号が変わってから左折するというような2段階左折を考えてはいけません。最短距離、最短時間を優先すべきです。

自転車、バイク、リヤカー、歩行者は信号が見えないことになっています。自動車もそうですが、ちょっとは見えているようです。

 上左の写真の信号と右から左へ移動している自転車、バイクに注目。自転車、リヤカーは完全に信号無視。上右の写真では左右への移動についての信号が青ですが、自転車、バイクは、関係なく車の合間を通り抜ける、通り抜けるチャンスを待っています。

地方に行くと信号のあるのは市の中心部だけですし、横断歩道も歩道橋もないのですから、信号がない道路を横断するためには車の合間を縫って歩かないといけないわけなので、それだったら信号があるとこでも、同じじゃん、ということになります。

 一番右のレーンは自転車、バイク専用ですが、短い距離なら逆走も許される事を覚えておきましょう。対抗して直進してくる自転車、バイクがあるのが当然ですから、それさえ注意していればいいのです。歩道でもかまわず運転しましょう。専用レーンがつまっていたら当然です。

あなたが歩行者だったら;

 歩行者は信号が見えないことになっています。遠慮なく空いている空間を利用して目的方向に進みます。大きな交差点で左斜めに行きたいときは、直進して左折するなどという、労力を要することをしてはいけません。交差点を斜めに横切ります。この場合、必ずどっちかの信号が青、他方が赤ですからどっちかから車が進行してきます。ですからyour owun risk で実施することになります。でも最短距離が優先するのです。スクランブル交差点なんかはありませんから、自主的にスクランブル交差点にする必要があります。これが人民の主体性というものです。

 中央を闊歩する女性は交差点のど真ん中を堂々と歩いております。その傍のバイクも斜めに横切っています。スクランブル交差点ではないですよ。

 歩行者用信号の、青は比較的注意を払わなくても渡れる、赤はちょっと注意すれば渡れることを示しています。いずれにしろ車は横断歩道につっこんできますから、注意の量だけ違うことになります。車線が複数で、歩行者用信号が赤のときは、車がとぎれたら、レーンを区別する白線のところまで進み、次の車が途切れるのを待ち、次のレーンを区別する白線とか中央線まで進む を繰り返して道路を渡ります。車がとぎれているのに歩道で信号が青になるのを待つような、時間の浪費は極力さけねばいけません。

 右にいる青いシャツの人はタクシーをつかまえようとしているわけではないですよ。横断するチャンスを待っているのです。信号や横断歩道なんてないですからね。道の向こう側に行くためには、こうするしかありません。

車が混んでいるときは、合間を走って通り抜けないと。

 道の向こう側に行きたいというときは、歩道橋や横断歩道があるわけではないので、これも最短距離を歩きますというか走ります。そもそも何車線もある道路は国境線、あるいは橋のない川とおなじですから、向こう側に行くなどと考えてはいけません。どうしても行きたい場合は、タクシーを使いましょう。橋のない川を渡るには船が必要です。

 タクシーに一人だけで乗るときは助手席にのるのが普通です。

 結論:決してヒトや車が日本と同じように行動するとは思ってはいけません。