生理セミナーガイダンス

2010.4版 

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西丸先生作成

後ほどページで読めるよう編集する予定です。

 

生理セミナー・ガイダンス2008年版

Original: by Hiroshi Nishimaru 2008.4.21
Web version: Edited by Naohito Terui 2008.4.22

 このガイダンスは生理グループでのセミナー発表要領についてまとめたものです。
新人はよく読んで、旧人も思い出して、セミナーを実施してください。

1)セミナーの目的

英語論文を
理解でき、他人に紹介でき、評価できるようになる。

2)実施要領

○ 1つの論文を中心に複数論文を引用する。指導教員と相談の上、論文は原則
 として発表予定日から2年以内の新しいものを選ぶ。

○あらかじめ、発表内容はセミナー係に連絡する。論文のPDFファイルを添付する
 のがのぞましい。

○質疑応答を含めて1時間以内(従って発表は正味40分くらい)に収まるように
 発表する。スライド資料の枚数制限はなしだが、20枚程度が適切。

○ 発表では自分の仕事との関連を盛り込む。また論文の論理的批評も加える

○卒研生には割り当てない。大学院学生は基本的に年3回とするが、連携大学院
 学生は1回(連携先でもセミナーを行っている為)。

3)割当

○学年を問わず、経歴によっては割当回数を増減させる
 (卒研生でも、修士1年生でも)。

○ 演者の急病、リベンジを必要する場等に予備日を当てる。
 学生の順番は変えない。

○割当より多くをこなしたい学生を歓迎する。希望者の発表には予備日を充てる。

○学会予行、論文審査予行は別日程とする。アレンジは該当者がセミナー係と
 相談の上、できるだけ多くの教員が集まることができる日時とする。

4)発表準備

○発表の4週間前に指導教員と相談の上、紹介論文を決定。セミナー係に報告。

○発表の2週間前までに学生は論文を読みこなし、指導教員に内容を説明する。

○発表の1週間前までに、スライドを作って、指導教員などに説明する。論文概要
 も作っておき、指導教員のチェックの上、セミナー係に報告。論文のpdfも
 セミナー係に送る。

○当日まで、スライドの修正、発表の練習、質疑応答対策を行う。

5)セミナー係の役目

○4週間前に論文題名が送られてこない場合は催促のメールを学生と指導教官に
 送付。

○1週間前までに論文概要とpdfファイルが送られてこない場合は催促のメールを
 学生と指導教官に送付。

○論文概要、論文のpdfをメーリングリストに流す。

○演者が当日急病の場合は中止のお知らせをメーリングリストに流す。

○上記以外の場合の中止等については指導教員に相談する。

○生理セミナーホームページの管理。

○なお、判断がつかない事などは速やかに指導教員に相談する。

6)論文の選択

○とにかくまず“おもしろい”論文を選ぼう

  新しい概念、発見、技術、解析方法

 なにが新しいのか、なにがこの論文の価値なのか、よく吟味しよう。

 新規だからといって、発表者が理解していないものは聴衆には理解できない。

○準備の段階で、わからないことは;
 周囲(上級生、教員)に尋ねる。図書館で調べる。インターネットも活用する。

○発表までに疑問・問題はすべて解決しておく。

7)発表準備

○できるだけ早く、論文概要(周知メール)を書こう。

  (背景)(目的・仮説)(方法)(結果)(結論)(考察)

○論文のアブストラクトを翻訳しただけではだめである。論文本文を読み、
 理解した上で周知の文章を自分の言葉で書く。
 論文を的確に理解するの役に立つ。

○次項の例は長いように思えるが、何を言っているかわからない短い文章より、
 理解しやすい長い文章のほうがましだ。

8)予告案内の例

紹介論文:Nishimaru et al. Mammalian motor neurons corelease glutamate and acetylcholine at central synapses. PNAS10:5245-5249.

(背景)
 哺乳類の運動ニューロンはコリン作働性ニューロンの代表的なものとして教科書的にも確立されている。
 しかし、以前より免疫組織学的手法を用いた研究で運動ニューロンがグルタミン酸を放出している可能性を示唆する論文がある。その一方でそれを否定する論文もあり、結論は出ていない。

(目的・検証した仮説)
 哺乳類の運動ニューロンはアセチルコリン以外の神経伝達物質をその軸索終末から放出している可能性がある。この可能性を主に電気生理学的手法によって検証した。

(方法)
 抑制性介在ニューロンがGFPを発現するGAD67-GFPノックインマウス新生児の脊髄摘出標本を用いて、腰髄前角の抑制性ニューロンを可視下に同定しホールセルパッチクランプ法で記録した。

 そのうち電気生理学的に同定したRenshaw細胞において運動ニューロンの軸索側枝からのシナプス入力の薬理学的性質を調べた。

 また神経筋接合部でのシナプスの性質を調べるために大腿四頭筋の筋電図を記録し、筋神経刺激に対する応答の薬理学的性質を調べた。

 さらに免疫組織学的手法により、運動ニューロンの軸索終末におけるグルタミン酸シナプスのマーカーの発現の有無を調べた。

(結果)
 運動ニューロンの軸索側枝からRenshaw細胞へのシナプス入力
の一部(20-40%)はグルタミン酸受容体を介したものであった。

 また免疫組織学的手法により、運動ニューロンの脊髄内の軸索に
グルタミン酸シナプスの前膜に局在することが知られている
小胞型グルタミン酸輸送体が局在していることを見いだした。

 一方で神経筋接合部ではグルタミン酸を神経伝達に用いている証拠は見つからなかった。

(結論)
 運動ニューロンはRenshaw細胞とのシナプスにおいてグルタミン酸を放出している。また、神経筋接合部ではそうした証拠は見当たらなかった。これは一つのニューロンが異なるシナプスでは異なる神経伝達物質を放出している可能性を示唆している。

(考察)

 発達期のマウス特有の現象である可能性は完全には否定できない。また神経筋接合部での検証は充分ではなく、筋細胞からの細胞内記録が必要である。

論文の考察と発表者の考察は区別して発表する。

9)発表のシナリオ:敵を知ろう

○聴衆の頭の中を想像する。他の分野の人はおもしろいだろうか。

 聴衆には、その論文と同じ分野の研究者/学生とそうでない研究者/学生がいる。またボス(下図)の存在もある。日頃のセミナーを聞いて、質問をよく発する者の頭の中を想像して対策を練る。


なぜそれが“おもしろい”のか他の人に伝えることを目指そう。

10)スライドの準備

○周知メールと同一の項目を必ずスライドに含める
(背景)(目的・仮説)(方法)(結果)(結論)(考察)

○図や表のスライドにはタイトルをつける
(なにを示した図なのかがすぐにわかるにしよう)

○一枚のスライドにあまり多くのことを詰め込まない。

○図や字は大きく、みんなが見えるように。

11)良い図、悪い図

 論文の図と口頭発表の図(スライド)とは区別する。

良くないスライド

スライドのタイトルがない。略号がわからない。説明を聞き逃すと理解できない。

改善したスライド

発表者の略号の説明を聞き逃した聴衆もわかる。が、図に文字列が多すぎてしまうという欠点もある。バランスの問題だ。

論文の図そのままをスライドにした悪い例

タイトルがついているが、1枚のスライドにまとめるべきでない。
論文の図としてはいいが、複数の説明事項
(材料の説明や方法、論文で使う用語の定義)が盛り込まれている。
必然的に文字が小さく見えない。

分解して一部だけを拡大し提示した良い例

免疫組織の図、写真等はできるだけ大きいほうが分かり易い。

組合わせをアレンジして説明し易くした例

論文の図から組み合わせて作った1枚のスライドで1つの項目を説明をすると、
発表する方も聞く方も楽になる。
スライドの枚数は増えるが結局は発表時間の短縮につながる。

12)発表に際して


口頭発表は自己アピールの場である。

 セミナーの発表
 学会での発表
 就職の面接
   :
このセミナーはそのトレーニングの場である。

話は短く簡潔に。結論を先に言おう!
 発表はミステリーツアーや推理ドラマではない。

用語は正確に。Jargonはできるだけ使わない。
 デポる、サチる、イントラ、ラスボス
(脱分極する、飽和する、細胞内記録、ラストボス)

13)聴衆は

周知メールを読もう。知らない専門用語があるはず。誰かに聞いてみよう。

遅刻しないように。

 質問をどんどんしよう。

 建設的な意見を述べよう。

セミナーが終わったら 演者に声をかけよう。もし可能なら、ほめよう。

昔の規則

####### セミナー運営規則 ############## 2006.2.13

GIO(目的):英語論文を理解でき、他人に紹介でき、論文を評価できるようになる。
実施要領: 

○自分の仕事との関連を盛り込む
○1つの論文を中心に複数論文を引用する。論文は発表予定日から原則2年以内の新しいものを選ぶ。
○論文の論理的批評も加える
○Progress report は1年に1回以内で、研究の進展が前回の発表よりみられた場合のみ。
 ホントの新入生は年度後半に、研究テーマと研究計画を発表してもいい。論文紹介でもいい
 2年目以上はこれまでのまとめと今後の計画を述べる。
○教員は年1回とするが、教員に割当てた日は予備日とする。すなわち、外部の演者がいる場合、
 演者の急病、リベンジを必要する場等にこれを当てる。教員の割当はスキップするのではなく
 次の教員のところにシフトすることとする。学生の順番は変えない。
○学会予行、論文審査予行は別日程とする。アレンジは該当者がセミナー係と相談の上、
できるだけ多くの教員が集まれる日時とする。
○1時間以内に収まるように発表する。スライド資料の枚数制限なし
○あらかじめ、発表内容はセミナー係に連絡する。論文のアブストラクトのコピーのみはだめ。
 論文の場合、論文のPDFファイルを添付するのがのぞましい。
○卒研生には割り当てない。大学院学生は基本的に年3回とするが、連携大学院学生は1回でもいい。
○学年を問わず、経歴によっては割当回数を増減させる(卒研生でも、修士1年生でも)。
○割当より多くをこなしたい学生を歓迎する。いた場合は予備日を充てる。

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